点数だけでは決めない。しかし、点数を無視もしない。2026年、東京のハンバーグを皿の上から見つめ直した。
東京ハンバーグ総選挙2026は、昨年までの一般Web投票から一歩進み、日本洋食協会が選任した、料理・肉・洋食・食品・流通など各分野のプロフェッショナルによる覆面審査員投票へ移行した。審査員は、データ、実食知見、専門的な視点を重ねて一票を投じた。
候補リストは、ハンバーグ王子こと松島和之氏が実食経験をもとに選ぶ「今、東京で美味しいハンバーグ店」に、昨年のTOP10を加えて作成した。
食べログ通常点、食べログ単純平均、Google評価。昨年の投票結果。松島氏の実食知見。肉、料理、洋食、食品、流通など各分野のプロで構成する、協会選任覆面審査員による投票。それらを重ね、以下の3賞を選出する。
挽肉と米 渋谷

2026年の大賞は、挽肉と米 渋谷とする。
挽肉と米は、現代型ハンバーグを象徴する存在である。挽きたて、焼きたて、炊きたて。90gのハンバーグを3個提供し、米との一体感、焼きのライブ感、カウンター体験、予約導線まで含めて、ハンバーグを一つの食体験として再設計している。
なお、店舗ではレア状態で提供していないことを確認した。店側が火入れを完了した状態で提供し、卓上の焼き台は生肉を完成させるためのものではなく、温度を保ちながら食べるための設計である。
データ上でも、選考対象の中で最上位を示した。ただし、今回の大賞は単にデータ上位だから選んだわけではない。
挽肉と米は、ハンバーグを「食べる料理」から「体験する料理」へと押し上げた。現代の東京で、ハンバーグという料理の可能性を大きく広げた店である。
香味屋のような老舗洋食とは、まったく異なる方向です。ただ、現代型のハンバーグとして、ここまで体験を作り込んだ店は無視できない。2026年の大賞としてふさわしいと判断しました。
レストラン香味屋

ハンバーグ王子賞は、レストラン香味屋に贈る。
香味屋のハンバーグステークは、老舗洋食レストランの一皿である。濃いデミグラスソース、クラシックな付け合わせ、白いテーブルクロス、サービスまで含めて、ハンバーグをレストランの皿として成立させている。
価格は2,500円。別途サービス料10%がかかる。これは単なるハンバーグ定食ではなく、老舗洋食店で一皿を食べる体験である。
挽肉と米が現代型の到達点であるなら、香味屋は老舗洋食の到達点である。
香味屋は、ハンバーグだけでなく、洋食店としての皿の強さがあります。デミグラス、付け合わせ、空間。すべてを含めて、老舗洋食としてのハンバーグを感じる店です。

RESTAURANT
delices
データ注目賞は、通常の表示点だけでは見えにくい支持を、単純平均とGoogle評価から発見する賞である。
公開評価の見え方
DIFFERENCE+0.30
RESTAURANT delicesは、食べログ通常点3.48に対し、食べログ単純平均は3.78。差分は+0.30。Google評価も4.3と高い。
通常点だけを見ると3.5未満に見えるが、実際に評価を投稿した人たちの平均とGoogle評価を合わせると、かなり高い支持が見えてくる。
データ注目賞は、単純に最も点数が高い店を選ぶ賞ではない。通常の表示点では見えにくいが、複数の公開評価を重ねることで浮かび上がった店を選ぶ。RESTAURANT delicesは、今回のデータ検証の面白さを象徴する一店である。
比較条件を分け、
参考掲載とした店。

BISTRO TARO azabujuban
データ上では高い評価を示したが、運営者関係店であるため選考対象外。参考掲載とした。

銀座日東コーナー1948
2025年Web投票優勝店として記録。2026年は参考掲載とし、今年の選考対象から外した。

銀座吉澤 肉処
すき焼き、焼肉、しゃぶしゃぶなどを含む総合的な肉料理店であり、公開評価には複数の利用目的が混在する。ハンバーグ単体および洋食店同士の比較条件を揃えにくいため、受賞対象には含めない。一方、東京食肉市場の仲卸として多くの飲食店へ肉を供給し、松阪牛の普及とブランド形成にも深く関わってきた老舗である。東京の牛肉文化を語るうえで欠かせない存在として、参考掲載とした。
東京のハンバーグは、
一つの物差しでは測れない。
挽肉と米のように、ハンバーグを現代の食体験として再設計する店がある。香味屋のように、老舗洋食レストランの皿として磨き続ける店がある。
RESTAURANT delicesのように、通常点だけでは見えにくい評価を持つ店がある。
グリル佐久良、赤坂 津つ井、グリルグランド、モンブラン、ゴールドラッシュのように、東京の洋食と大衆ハンバーグ文化を支えてきた店もある。
Web投票の熱量を否定せず、データを読み解き、実食知見を重ね、料理としてのハンバーグを見つめる。東京ハンバーグ総選挙2026は、その第一歩である。
しかし、点数を無視もしない。
結果の外側にも、
東京のハンバーグはある。



